【興味を持ったニュース】コロワイドTOB
はじめに
本記事は私が企業問題入門という記事で私が提出した課題である。比較的最近のニュースなので私の意見を述べたいと思う。
【見出し】
・大戸屋にTOBへ コロワイド 子会社化で再建狙う
【媒体】
・日本経済新聞 ７月9日 朝刊
【概要】
・結論から言うと、外食大手のコロワイドが定食店を手がける大戸屋ホールディングスの買収に乗り出したと言うニュース
・現在コロワイドは大戸屋ホールディングスの株式を19%保有。7月10日からTOBを開始。保有比率を５割程度にして完全子会社化する方針だ。
・TOBの目的は経営の立て直し。新型コロナウィルス流行により悪化した経営を、子会社化によって食材や配送の共通化により立て直しを目指す。
・大戸屋ホールディングスの8日終値は１株当たり2,113円。これに４割程度を上乗せした3,000円程度でTOBするとみられる。（総額100億円弱）
・懸念点は大戸屋HDの経営陣がTOBに反対して、敵対的TOBに発展する可能性である。→経営悪化によりコロワイドはコスト削減を提案していたコロワイドサイドと、大戸屋HDの経営陣とで折り合いが付いていない。
【意見】
私が本ニュースに興味を持った理由は、私の実家も飲食店を経営しているからである。今年から新型コロナウィルスが流行し、飲食店は大打撃を受けた。その中でも大手が事例となったケースだったため興味を持ち、本課題で取り上げることにした。形式としては、主観的意見（私個人の感想）と客観的意見（大戸屋サイド）を述べたあと、総括を行う。
まず主観的意見である。私は本TOBに賛成の意見を持っている。なぜなら、コロワイドにとって本TOBは自社の利益を守る戦略（大戸屋を守る）と大戸屋を子会社化する好機の両立ができているからである。
第一に自社の利益を守ると言う観点は、大戸屋の株価の問題とスケールメリットの問題である。前述の通り、コロワイドは大戸屋の株式を19%も保有しているため、倒産すれば大きな損失を被ることになる。またコロワイドを完全子会社化することで、材料の共通化でスケールメリットを働かせることも可能である。したがって、自社の利益を守って同時に大戸屋の経営も守ると言う意味では本TOBには好感が持てる。
第二に大戸屋を子会社化する好機についてである。この点については大戸屋が損失を被ってしまうが、ビジネスの世界では機会を捉え、自社の勢力を伸ばすことも非常に重要なポイントである。現在は経営危機に陥っている企業も多く、通常時は利益が出るような会社を全て精算してしまい、安く買い取る（M&Aする）ことも勢力拡大のための手段として考えられる。大戸屋の場合TOBという形式であるが、株価が安くなった時（現状が2113円：最高3270円）に株式公開買付を行うのは戦略的にも好機であると感じる。
続いて客観的意見である。実は今回取り上げたニュースは7月9日のものであるため、本ニュースには続きがある。7月20日、NHKニュースは、「大戸屋HD株式会社は外食大手のコロワイドのTOBに反対したため敵対的買収に発展している[i]」と発表した。理由としてはコロワイドサイドがセントラルキッチンを推奨することに対し、大戸屋は店内調理を強く要望していた点で大きく対立していたからである。大戸屋サイドはセントラルキッチンの採用に対し、「顧客に提供する料理の品質低下を招き、大戸屋のブランド価値を損なうおそれがある[1]」と考えており、反対意見を強めている。これらのことから、客観的（大戸屋サイド）に本ニュースを見た際、大戸屋HDが不利益を被ることは間違いなく、仮にTOBが成功したとしても、今後の成長に不安が出ると言う側面もある。
最後に総括である。今回は主観的な意見としてコロワイドは自社の利益を守り、好機を生かして成長すると言う意味で本TOBには賛成だったが、客観的に見た際まだまだ反発が強いのが現状である。確かに、お店のPRとして大々的に行っている店舗調理が全てセントラルキッチンに移り変わってしまうと、大戸屋が他店と差別化するポイントはなくなってしまう。しかしコロワイド側の言い分としても、それにはコストがかかってしまうのも理解できる。今後は大戸屋HDも何か対策を打ってくることが予想されるため、展開も予測できないが、まずはコロナ禍を生き延びてほしいと言うのが私の願いである。
[i] NHK,News Web「大戸屋ホールディングス コロワイドのTOBに反対 敵対的買収へ」
（閲覧日:2020年7月22日https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200720/k10012524891000.html）
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